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「というわけだ」
「なにがよ」
放課後の教室、俺は女に少し残っていてもらい、完璧な計画を聞かせてやっていた。
しかし目の前に座る女は机に頬杖をついて、さして興味を示さないようである。
「だから、これから第一の萌えキャラを作りに行くぞ」
「なんで私が」
「女、忘れるなよ。お前は容姿端麗という他、何も取り柄がないということを」
この女、名は神保 蝶(jinbou chou)という。
名は体を表すというが、まさに神がかり的な美しさを保っている。
「美しければいいじゃない」
……性格は最悪だ。
「ふん、貴様など俺がいないとクラスで独りぼっちではないか」
性格の悪さが災いし、高校三年生が始まってひと月以上経過したが、女には友達というものがいない。唯一の話相手といえば、俺。
「だから何よ」
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