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「これでも俺は天才を自称しているのだ。勉強など最も簡単な遊戯にすぎん」
全国模試ならいざ知らず、学校のテストとなると範囲も狭い。
ちゃんと順位を見たことはないがまず間違いなく一位だったはずだ。
「やっぱり! 私、ずっと二番だったんです。それなのに去年になってあっけなく一番になって……」
「そりゃ、ずっと学校来ていなかったからな」
我ながらよく進級できたものだ。
「ずっと気になっていたんです。凄く頭がいいのに、学校に来なくなっちゃった人がいるって。どうしてですか?」
「学校によりも大切なことってあるよな」
「なに遠い目してんのよ、引きこもりが」
せっかくクールに決めたところを蝶が台無しにする。
「じゃかましい! 俺には偉大な計画が」
「なんの計画ですか?」
うぐいすが目を輝かせていた。
一位を捨ててまでやろうとしている計画だ、興味がわくのも仕方ない。
だが、ここで教えるのはまずい。
この小娘には淫乱ピンクになってもらわねばならんのだから。
俺がどう言い訳しようか思索していると、背後から男の声が聞こえた。
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