第2章

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「ああ、なんの因果でこれの俺が……」 使徒指導室へ向かう途中、俺はぼやき続けていた。 「あなたの妹って想像もできないわね」 蝶は最初は嫌がっていたくせに、今は若干楽しそうにしている。 大方、俺の弱みを握れるとでも思っているのだろう。 「言っておくが、お前を連れて行くのは予防策だからな」 「予防策?」 「ああ、俺とフルセンで対処できなくなったら貴様は救援を呼びに行くんだ」 「あなたの妹どんな怪物なのよ……」 俺だって本当はこんなことしたくないが、フルセンには借りがある。 「仕方ないだろ。まあ、お前は後ろのほうにいてくれれば……」 バシンッ!! 突如、どこからか大きな破壊音が聞こえてきた。 続いて、女の怒鳴り声。 「え? なんなの?」 慌てて辺りを見渡す蝶だが、異常は見られない。
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