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「はぁ? だからなに? 別に誰にも迷惑かけてないからいいでしょ?」
偉そうに言う亜樹。俺はなぜだか無性に腹が立った。
「おい、妹。ルールは守れって教えなかったか?」
「は? なに? 別に教わってないけど」
「じゃあ俺が教えてやる。ルールは守るものだ」
俺が偉そうに言うのが気に食わなかったのか、睨んでくる。怖いです。
「なんであんたにそんなこと言われなきゃいけないの? だいたい、さっきも言ったけど別に誰かに迷惑かけているわけじゃないんだからいいでしょ。そもそもそんなルールがあることがおかしいのよ」
一気にまくしたてる亜樹。ヤンキーにしては筋の通った考え方だな。
こいつは【論破】できそうにないから【口先の魔術】でなんとかするか。
「なるふぉど、お前の言うことも一理ある。だけどよく聞け、お前の好きなたとえ話だ。虫歯が一本あるとする。その虫歯がいうなれば貴様なんだよ! お前を放置していたら他の健全な歯まで虫歯になる、だから抜くか治すかしなければならない! いいか、貴様は虫歯だ!」
いや、まあ、虫歯と染髪は何も関係ないんですけどね。
「はあ? なんで私が虫歯扱いされなきゃ……」
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