第3章

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「あ、ありがと……」 生徒指導室から脱出し、家に帰る途中で亜樹が言った。 普段なら一緒に帰るなんてありえないのだが、先ほどのフォローが効いているのか。 「なんだ、俺は別に自分の思ったことを言っただけだぞ」 殺られたくない、それだけです。 「あっそ。そういえば一緒に来たの女はなんだったの? 彼女?」 ホント、女はくだらない話が好きだよな。顔、にやけてるぞ。 「そんなわけなかろう」 それにしても蝶は一体どうしたのか。 原因コイツっぽいしコイツに聞いても無駄だろうな。 「だよね、釣り合わないと思ったし」 「無論だ、俺のように眉目秀麗才色兼備豪華絢爛な男と釣り合う女がそうそう居てたまるか」 「ちがうわよ! あの女の人があんたと釣り合わないくらい綺麗ってことよ! だいたいあんたとならヒヨケムシだって釣り合うわよ!」 「ちょ、なんでそこで世界三大奇虫のヒヨケムシが出てくるのだ」 検索する際は要注意だぞ。
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