天才ニートと萌えの教典

第３章

～本屋ＴＡＴＵＹＡ～

「ＴＡＴＵＹＡ　ウェーイｗ　ＣＤ～」

店内に入ると、おなじみの陽気な放送が流れていた。

何言ってんのかさっぱりわからねえぜ。

特に欲しい本はないが、せっかく来たのだから立ち読みでもするか。

そう思い新刊書籍の棚を見る。

お気に入りの新鋭作家が新作を出していたりしないだろうか。

「どれどれ、今月のニューセラーは、ニート・アンド・オフライン～俺はニートであるけど遊んではない～」

ついこの間までニートだった俺の心に響きそうな本だな。

手に取ろうとして、すぐに引っ込める。

先に亜樹に頼まれた漫画を買った方がいいだろう。立ち読みに夢中になって買い物を忘れては本末転倒だ。

そう考えて俺は漫画コーナーへと向かった。