第3章

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「ほう、こいつは驚きだ。しかしなんでまたアルバイトなどしているのだ」 が、学生の本分は学業だぜ。 「もう3年生だからねー! 卒業したらボクは本格的に作家目指すから資金ためないと~」 そう言ってふにゃっと笑うワナビだが、俺はこいつを笑い飛ばすことをできなかった。 俺なんかよりずっと将来のこと考えていることに正直驚いた。 「そ、そうか。大学には行かんのか?」 最近の若い奴ときた適当に大学に行くものだと思っていたのに…… 俺が引きこもっていた間に世界に何が起きたんだよ。 「作家に学歴はいらないからね! お金もったいないし。卒業したらとりあえず図書司書の資格を取って……」 「す、ストーップ!!」 将来の話、聞きたくないでござる。 「だいたいお客様である俺に進路相談などするな」 「そっちが聞いてきたんじゃんー! で、お客様。何かお探しですか?」 怒ったり笑ったり忙しいやつだ。 だがちょうどいいから尋ねてみるとしよう。
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