第3章

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これ以上ワナビの仕事の邪魔をするのも申し訳ない。 「悪かったな、ワナビ。せいぜい額に汗してくれ」 「そう思うならその呼び方やめてよ! 探してる本思いついたらいつでも呼んでねー」 そう言ってレジの方へ向かおうとするワナビ。 「店員さーん」 ワナビを呼び止める。 「早いよ! 何?」 そういえば俺はもう一つ問題を抱えていたのだった。 亜樹は使い物にならないしワナビに聞くしかない。 「実は先ほど生徒指導室でな……」 蝶にどう対処すればいいのか、アドバイスを求めるためだ。 レジのオッサンがイライラした顔をしているが知ったことか。 どうせ客足まばらの閉店まで秒読みの店だ。 バイトの娘っ子一人欠けたところで問題あるまい。 さっきと考えていることが違う気がするが、とりあえず俺は少し前に起きた出来事をワナビに話し始めた。
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