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「そんなことがあったんだぁ……」
事情を話し終えると、ワナビは少し表情を落として言った。
「そうなのだ。俺はどうすればいいのだ?」
「うーん、蝶ちゃんがなんで急に態度が変わったのかわからないとなんとも……」
それがわかれば苦労はしないのだが。
「ふん、使えないやつめ」
「ひどーい! だいたいそっちこそ天才なんでしょ? ボクなんかに聞かないでもわかりなよ!」
「……ぐぬぬ」
そうワナビに反論され、俺はぐうの音しか出なかった。
ワナビの言うことももっともだ。
俺は天才。答えはすぐに導き出せるはずだ。
俺は少し息をついてから、目を閉じた。
集中しよう。
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