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「……どしたの? もしかして怒った?」
しばらく黙っていたら、ワナビが恐る恐る聞いてきた。
「そうだ、惚れ薬を作ればいいんだ!!」
「……え? えええええ!?」
俺の宣言に驚愕を示すワナビ。
やはり天才の思考回路は、凡人には理解できないのだろうか。
「ったく、こんな簡単なことだったのかよ。焦って損したぜ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!? なんで惚れ薬!? ボクには全然全くこれっぽちも理解不能で意味不明なんだけど!?」
っち、しょうがないな。
相談に乗ってもらった義理もあるし少し説明してやるか。
「だーかーら、蝶がよそよそしいじゃん?」
「う、うん。そうらしいね」
なんだ、ここまで理解できてるなら全部理解しろよ。
「つまり、惚れ薬じゃん」
「えええええ? その過程がさっぱりなんだけど!?」
なんで理解できないかな。そっちの方がさっぱりだぜ。
「もうよい、邪魔したな。仕事にいそしむがいい」
「え、あ、うん。ありがとうございました?」
そう言って俺は店を出た。
よーし、張り切って作るぞ、惚れ薬。
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