第3章

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「私の目に決まってんでしょ。カラコンよ、カラコン」 中二病でもこじらせたのか、こいつ。 兄としてやめさせよう。 明日生徒指導を食らうのは目に見えている。巻き添えはもうこりごりだ。 「貴様はもう少し大人しくできんのか?」 「うっさい、私の勝手でしょ」 「ふん、まさに自分勝手だな」 「黙れ、あんたに関係ない」 そう言ってまたそっぽを向いてしまう。 「おい、だいたいなんだ、そのセンスのないタカのような目は。母が見たら泣いて悲しむぞ。ゾンビがタカを生んだ、って」 「その言葉聞いたらもっと悲しむわよ!」 く、屁理屈をこねやがって。 「ところでそのマザーはどこにいるんだ?」 娘が非行に走ったら、体を張ってでも止めるのが母親ってものだろう。 リビングにはいないようだが、職務放棄して一体どこで油を売っているのやら。 「母さんは温泉旅行、父さんは出張よ」 「あのリビングデッドめ、可愛い俺を置いていくなんてどうかしている」
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