第3章

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「きも。ていうか漫画は?」 母親の鬼の所業に業を煮やしていたら引かれた。ジョークだってのに。 「え、えーと……」 どうしよう、亜樹のタカのような眼光を見ていたら怖くなってきた。 今から買いに行こうかな。 「どうせ買ってこなかったんでしょ。というわけで、夕飯はあんたが作ってよね」 「なにぃぃ!? 貴様エスパーか!?」 怖いなぁ。ヤンキーでエスパーでシスターかよ。 向かうところ敵なしじゃん。 そのエスパーに敬意を表して、食事を作ってやろう。 ニート生活で料理はマスターしている。 天才はすべてにおいて最高級の才能を発揮するものだ。 久々に兄妹水入らずといこうじゃないか。亜樹もそれを見越してリビングにいたに違いない。 「当たり前でしょ。だって私、ちゃんとタイトル言ってないし。買えるわけないじゃん」 ……は? つい、亜樹の口癖が出てしまいそうになった。 「おい、妹。ふざけるなよ」 「あはは、ごめーん」 全然反省してねぇ。 この妹誰かなんとかしてくれませんかね。 「もういいや……飯作るか」
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