第3章

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「あ、じゃあお詫びに私が作ろうか?」 トボトボと台所へ向かおうとすると、亜樹がそう言った。 「いらん」 即答。 「ひどくない?」 亜樹も返事を予想していたのか、軽く返す。 こいつと軽口を言い合うのはいつ以来だろう。 「貴様の料理は料理ではない」 「ちょっとかっこいいわね」 やはりこいつ、中二病の気があるな。 「ったく、くだらねーこと言ってんじゃねーよ。邪魔スンナ」 俺にはやるべきことが山ほどあるのだから。 えーと、例えば……なんだっけな。 「ところで何作んの?」 「あ、惚れ薬作ろうと思ってたんだ」 「はああああああああああ!? きっも!!」 あれぇ、ついさっきまで軽口を叩きあう仲になっていたのに。 なにが起きたのだ。 「えーと、」 「うっさい! こっちくんな! ニート・ニート・ニート!!」 「ええい、人を小説のタイトルのようにニートと呼ぶんじゃない!」
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