第4章

2/20
53人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ
次の日。 明け方まで惚れ薬の調合に手間取っていたから、当然のように寝坊。 急いで学校に来たのはいいが、教室に入りづらいな。 ここはいっちょ、ギャグっぽく登場してクラスを沸せてやろう。 俺の芸人魂に火が付いた。 扉に手をかけ、勢いよく開く。 「うっひょお! やっほう! やっちゃいました! ね・ぼ・う!」 「……」 午前11時、教室にお茶目なフリして入ってった。 ベルトすらし忘れたから、ズボン落ちそうになる。 「……」 二秒後に、気が付いた。 「今の時間は体育だと」 我ながら恥ずかしいことをしてしまった…… 誰にも見られていなかったのが唯一の救いだ。 くそう、とりあえず昼休みにでも蝶に惚れ薬をしかけるとするか。 そう思い、俺は自分の席へついた。
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!