第1章

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「うっひゃぁ! び、びっくりしたぁ……って、え?」 何を驚いているのだこの小娘は。 「久しぶりだな、ワナビ」 「わ、わなびって言うなー!!」 俺の呼びかけが気に入らなかったのか、ワナビが俺を殴ってくる。 加減してくれてるのか、ポカポカという擬音が似合うほど痛くない。 「あら、あなたに女の子の友達なんていたのね。今年度最大の驚きだわ」 後ろで様子を見ていた蝶が話かけてくる。 「今年度始まって一か月しか経ってねえよ」 「うわぁ、綺麗な人だねー!」 ワナビが子犬のように目を輝かせて蝶を見る。 「こら、人を舐めまわすように見るんじゃない」 俺がそういうと今度はこっちを見て目を輝かせてくる。 紹介してくれ、ということだろう。 まあ蝶も友達になりたそうな素振りだし、ここらで二人に恩を売っておくのも悪くない。
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