異端者の中の異端者

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「お前……スゲェな」  素直に、賞賛する。 「いやぁ……そんなことないよ。それよりも、ミライって呼んでよ。これから、クラスメイトになるわけだし」 「分かった。じゃあ俺のことは、ユキトで構わないぜ」  その言葉にミライは、目を細める。 「OK。じゃ、行こうか。……しかし、初めに知り合った人が、いい人そうで良かった」 「それは、俺のセリフ。お前とか、もう顔から良い人オーラが溢れてるもんな」  二人で談笑しながら、校舎に入ろうと敷居をまたいだ。この学園は土足が基本なので、上履きなどに履きなおす必要はない。  今日は新入生のみの登校な上、クラス割の看板前が混雑しており人通りが悪いので、まだ校舎の中に人はほとんど居なかった。故に、見通しの利くその場所で、一人の女生徒が目に入ったのは当然であろう。  壁にもたれかかった長い黒髪のその女性は、まだ疎らな新入生たちを品定めするように睨みつけていた。  その腕を組む黒髪少女の姿は、多少異色だった。  ハーフなのだろうか。いささか日本人離れした顔立ち。そして健康的な白い肌と艶やかな黒髪は、もうそれだけで目を奪われるのに十分な材料だったが、俺の目に付いたモノは全く別のところであった。
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