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「どうして作者を特定できたの?って顔だね。」 「…。」 「本来個人情報保護法で作者を外部の俺が知り得ることはあり得ない。 でも白い岩は違った。 父さんも気に入ってたんだ。 よく家で読んでた。 そんなこと、初めてだった。」 「…だから?」 「原稿の入った封筒を見たのは偶然だった。 けど名前を見て驚いたよ。 まさか同じクラスの女の子の作品だなんて思いもしなかった。」 淡々と話す悠一。 七生はどうリアクションしていいのかすらわからなかった。 「それから俺は白い岩の書く話をいつも楽しみにしていた。 …2年前までは。」
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