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「実は、…書くのやめてはいないの。
でも、ペースは落ちてる。
隠しながらだから。」
今までは部屋に籠ったり、リビングでもノートを広げたり、
時には授業中だってこっそり書いたりしていた。
けれど高校生ということもあって授業中はもちろんできず、リビングでも書いていると刻一注意を受けるようになった。
自室に籠っていても、勉強中と思っている両親はお茶や夜食を差し入れがてら見に来るようになった。
おちおち書いている場所がなくなってしまったのだ。
「本当は堂々と書きたいんだよ?
でも親は、前回の進路希望調査表の興味の欄に小説家と書くことさえ許してくれなかった。
いつまでも夢を見ているんじゃない、って。」
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