2人が本棚に入れています
本棚に追加
あてもない旅路だった。
風の吹くままに歩く。
自意識さえなく。
誰かが、何かが示す方へと適当に進む。
それが一番いい選択だと感じたんだ。
線が隣を通り過ぎる。
不快な、生暖かい風が流れた。
鳥肌が立った。
吐き気に襲われる。
涙が流れた。
本当に嫌いなんだ。
線の存在が。
憎くて、恐くて。
でもいいのだ。
僕の命は長くない。
精神は壊れて、体も、もうすぐ死んでしまうだろう。
命の灯火が、尽きるまでの間だけ……。
その間だけなのだ。
最初のコメントを投稿しよう!