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けっくだらねぇ!
教師は更衣室に入るなり、ロッカーを蹴飛ばした。
誰もいない狭い空間に衝撃音が響き渡る。
何故、嘘を教えなければならない?
右腕を失ったあの日、あの日に俺は何を誓った?
教師を始めて一年も経たないうちに己に渦巻く疑念。
権力に縛られ、嘘っぱちを堂々と教え、それを純粋無垢な子供達が受け入れる。
何の疑問も持たず。
もし、自分が足掻いたとしても…
何も変わらない。
世界に小さく波を起こしても、やがて波は消える。
頭をかきむしり、考える。
このまま、同じことを繰り返してたまるか。
30歳で消えてたまるか。
しかし、自分はあまりにも非力。
大きな力を持った人が必要…
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