バケツを傍目に

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結局、何故水拭きをするのか、わからないまま、先ほどの男子がバケツに水をいれて戻ってきた。 「なぁ、なぁ昔こういうのやらなかったか?」 そいつは、そう言い出し上下に回し始めた。 「遠心力で水がこぼれないんだよ! スゴくない?」 「そのへんで止めとけよ」 俺はそいつの行為を咎めた。何故なら後ろでは彼女がそいつに睨みを効かせていたからだ。 「え? なんでさ」 そいつは俺の方を向いて聞いた。その時に続いていた回転がとまった。 「ばっか、おま……」 俺の言葉は、バッシャーンという音によってかき消された。当然床は水浸しになった。
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