scene010

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ヒステリックな声は段々とヒートアップし、野次馬な生徒たちを集める結果となっている。 「…あ、夏くん」 その野次馬の一番前を陣取っているのはカメラを手にしている夏くんだった。何故か楽しそうに目を輝かしている。 気付くかな?と小さく手を振ると、周りを気にせずブンブンと大きく振り返えしてくれた。 「生徒の規範と成るべき教師が…って如月先生!」 「うわっ、はい!すみません!!」 アハハッと適当に笑っていたら、教長の方からブチっと何かが切れた音がしたような気がした。 「は、反省の色を見せないとは何事だ!!大体あなたは仕事を」 ボクの肩を掴もうとする教長の手を払ったのは、無視を決め込んでいた灰。 「教長、俺が連れ出したんだから、雪だけ怒るの止めてもらっていいですか?」 睨むような視線は教長に向けられていて、人にものを頼む姿勢で無いことは明らかだった。教長は少し怯んだように、一歩下がる。 「ちょっと成瀬先生。ボクもついて行ったんですから、ボクにも責任があります」 「雪はちょっと黙ってろ。てめぇ、俺に言えねぇからって、雪にキツく当たるとか…あんまふざけた事してっと本気でキレんぞ」 一段と眼力が鋭くなれば、取り巻く空気も変わる。周りを纏う雰囲気で圧倒し、惹き込むその力は健在のようだ。
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