裏と表

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ブラストランナーに関して― エイジェンのブラストランナーは、どれもナクシャトラ製の機体と酷似している。《酷似》とは外見上は同じだが、性能に圧倒的な差があるため、《似て非なる別物》という意味で捉える必要がある。特に装甲に関しては顕著で、市場に出回るブラストランナーで最も堅牢とされるロージーすら凌駕する。また、どの機体もデータベースに該当しない武装を装備しているため対応が極めて困難である点と、プラントへのハッキング性能が既存のブラストランナーより遥かに高い点には留意してもらいたい。 強襲兵装 強襲兵装に関しては3パターン確認されているため、ここでは比較的目にする機会の多かった白兵戦特化型を報告する。 ヤクシャに似た外見をしているが、頭部に関しては全く見たことの無いデザインをしている(ヤクシャ型の混同を避けるため、この機体を自分は《ラクシャサ》と呼んでいる)。 ラクシャサ最大の特徴はSW-ティアダウナーを上回る大きさを持つ強化剣(自分はこれを《SW-トランシュ》と呼称)である。刀身が重いのか、振り抜いた際に切っ先が地面に向いてる事が多い。しかし、SW-トランシュ最大の特徴は刀身に備えられたら加速装置により、機体を強制的に二回転させる事だ。 どういう事かというと、既存の剣はブラストランナーの加速と刀身を振り抜いた際の遠心力で回転している。超重量のSW-ティアダウナーはかかる遠心力が強いが、逆に刀身自体の重量で失速も速い。 しかしSW-トランシュは刀身自体に加速装置を持たせる事で、無理やり機体を回転させている。それにより、市場に出回る既存のブラストランナーの装甲を、いとも簡単に削ぎ落とす威力を叩き出す事ができる。 しかし、コレはパイロットにかかる負担を度外視しているため、並のパイロットでは回転中に失神、もしくは圧死する可能性がある。
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