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俺の脇腹を何かが掠めて通った。そう思った時には既に陸海は仰向けに倒れていた。
「……は?」
何が起こったのかが解らない。何が脇腹に掠ったのか解らない。誰がやったのか解らない。
──誰が教えてくれ…。
すると、
「うふふ…、此れで二人目♪」
愉しそうな声が聞こえた。俺はその声の主を知っている。
だから、すぐに、
「逃げろぉぉぉオ!!」
そう叫ぶことが出来た。その声に反応して秀爾が扉を蹴飛ばし、里加の手を引いて走っていく。俺も仁伊奈の手を引き、あとに続く。
恐らく、あの声の主は倒れた扉に下敷きにでもなったのだと思う。
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