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「くそっ! くそォッ!!」
あの後『二階』から『三階』に駆け上がり、知らない教室に逃げ込んだ。
そしてあの少女が追ってこないのを確認して小さくそう叫んだ。
里加、仁伊奈の顔は青ざめていて、秀爾は今度こそ泣いていた。俺は周囲を確認している。
…周囲をまともに確認出来るのは俺だけだろうから。
そして暗い空気を変える為に、
「この教室って『鍵』付いてるんだな。ある程度時間は稼げるかもな」
「…そう言えばそうだな。」
秀爾がノってきてくれたのだが、これ以上の話題は思い浮かばなかった。
──…。
「これからどうする?」
「取り敢えず『職員室』にある鍵束を持っておきたい」
秀爾の問い掛けに、俺はそう答えた。勿論、友達の死体が在るのを知ってだ。
「鍵束なんてあるのか?」
「あると願いたい」
「信用性がないな。リスクを犯してまで行って、ありませんでした、じゃあ洒落になんねぇぞ」
確かにその通りだ。さっきまで謎の少女が居た所に行くのは危険だ。しかし…。
「でもさ、ここでずっと隠ってたって脱出出来ないよ」
「……」
秀爾は黙ってしまう。
だったら…っ!
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