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「…だったら、俺が行ってくるよ。それで文句は無いだろ」
覚悟を決めてそう言った。不安だが仕方がないことなのだ。
「お前馬鹿か!? あんな化け物がこんな狭い校舎を徘徊してんだぞ!? あるか解らない『鍵束』の為に命を無駄にする気かッ!?」
「確かに無駄なのかもしれない。命を捨てるような事かもしれない。けど、それで皆を助けられるなら俺はなんだってする」
勢いで言ってしまった。こんな綺麗事を言っているが足はガクガク震えている。
「…解ったよ、気が済むまで探してこい。ただ、絶対死ぬな」
「そんな事、解ってるよ」
そう言って、無理矢理笑ってみせた。向こうからしたら笑って見てえてないかもしれない。
「それじゃあ。鍵閉めとけよ。一応、俺が『秀爾、開けてくれ』って言ったらここを開けてくれ」
「ああ、解ったよ」
俺は秀爾と握手して、教室から出た。
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