鍵と地図

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「それじゃ、万が一の時のために『鍵束』は秀爾に預けとく」 「解った。気を付けろよ」 適当に秀爾と里加に挨拶を交え、仁伊奈と一緒に『教室』を出た。 「仁伊奈、本当に大丈夫か?」 「うん、大丈夫だよ、灯」 とは言っているが、やはり震えている。顔色も良くはない。 本当に…大丈夫なのだろうか…? ──…。 「あ、あったあった!」 秀爾の言った通り、昇降口に貼り付けてあった。黄土色に変色し、所々破れているが、無いよりはマシだと思い、慎重に壁から外す。 「よし『教室』に戻ろうぜ、仁伊奈」 「う、うん…」
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