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ぺた…ぺた…ぺた…。
二階の廊下に響く音。素足で『何か』が歩いている音。
「っ!? 仁伊奈! 止まれ!!」
静かに、それでいて仁伊奈に聞こえるように叫ぶ。
「え?」
「何か聴こえないか?」
仁伊奈は何の事か解らないようでいる。しかし、確実に『何か』が歩いている音が聴こえてくる。
ぺた…ぺた…ぺた…。
「っ! 灯っ!」
ようやく仁伊奈も気づいたらしく、慌てて俺に寄ってくる。
「取りあえず一階に戻ろう、様子を見てから行くか…」
明らかに近づいてきている足音から遠ざかるために、一階に戻ることにした。
「大丈夫かな…」
仁伊奈が不安そうな顔をしている。秀爾達は無事だろうか。
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