鍵と地図

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「よし…。『彼奴』は居ないな」 仁伊奈を階段の中間部分に待たせ、俺は二階の様子を見る。 …様子を見ると言っても階段付近だけなのだが。 「よし。仁伊奈、上がってきて良いぞ」 周囲の安全を確認し終わり、小声で仁伊奈を呼ぶ。安全を確認したとはいえ、いつ現れるかは解らない。警戒を怠るのは危険だ。 しかし、 ──秀爾達の元へ急ぎたい。 その気持ちが俺の心を支配する。 ぺたっぺたっ。 ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた。
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