第二章 ラッキー バースデー

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「クララ!!」 「!!」 クラリスの声で我に帰る。 「どうしたのよ。急に」 「あ、あぁ…」 「で?クララは私と友達になるのかしら?ならないのかしら?」 喉元まで来ている返事が出てこない。ただ一言、「断る」という二文字の言葉を発するだけのことが今の俺には酷く難しく感じた。 拳を強く握り直す。息が荒くなる。背中から嫌な汗が吹き出す。俺は誰かと、クラリスと友達になりたいと思ってしまっている。 また、繰り返そうとしてしまっている。 そもそも俺にはそんな資格なんて… 『私は…もう…――じゃうけど…クララは…クララは何も悪く――よ…そして…クララは私の―と―れないでね…私も天国でクララのこと忘れない…から……あ…生まれ変わったら…――さんになりたいな…蝶みたいに綺麗で…自由に空を飛び回る……の…夢みたいで…し…』 冷たくなってしまった少女の体が、まだ幼かった俺の両手で倒れていた… 「あ…あぁ…ぁ…」 「どうしたのクララ!?クララ!?」 両肩を掴まれて揺さぶられる。 必然にも感じられるタイミングであの時ことがフラッシュバックしてしまった。 落ち着く為に俺はあたりを見回す。…芽吹はこちらを黙って、見ている。 駆け出した。拒絶するこもできずただ、ただ逃げ出してしまった。 それから家に逃げ込んだ俺は寝ることもできなかったが、朝までベッドに潜り込んでいた。とうとう、震えが治まることはなかった。 そして今日、9時頃に久しぶりに目覚まし以外の意味をなした携帯から誕生日会の連絡が回ってきた。
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