第二章 ラッキー バースデー

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***** 「まぁ、クララもただならぬ感じだったから、何かしらの理由があるのかもしれないけどそれだけじゃ私の怒りは治まらないのよ」 クラリスは話しながら飲み干したペットボトルのラベルを剥がしている。 「ごみ箱はどこかしら?」 クラリスが言ったのでキッチンの方向にあるごみ箱を指さす。 するとクラリスは人の海の中を滑るように掻き分け、その方向に向かって行く。 数秒後、戻ってきたクラリスは携帯電話を片手に持っていた。どうやら誰かに電話をしているようだ。 それと同時に携帯の着メロが部屋に響く。 この音楽は聞いたことがある。たしか芽吹のものだ。某RPGのサントラだとか言っていた気がする。 「もう大丈夫よ。仕返しは済んだわ」 「えぇ。思ったより反応薄かったけど」 「ということでメインのメンバーは残るよういっといてね。じゃあ切るわよ」 クラリスの電話が終わると今度は部屋に芽吹の「撤収ーーーー!ありがとねーーー!」という声が響き渡り、30人の人達がゾロゾロと外に消えていく。 部屋には芽吹とクラリス、他2人が残った。
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