第二章 ラッキー バースデー

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「ハァ…」 ため息をして頭を掻く。 やることがなくなった俺は芽吹達のゲームを見てることにした。 コークや芽吹が時々する舌打ちを数えていると、誰かに後ろから肩を叩かれた。 「クララ、ちょっといいかしら」 クラリスが退屈そうな顔をして話しかけてきた。 後ろで美冶も少しつまらなさそうである。 「アイツら、ゲームやり始めたらなかなかやめないのよ。こっちはこっちで何かしてましょう」 「あ?あぁ。そうだな」 クラリスと美冶が座っているソファの前の椅子に座る。 クラリスと美冶で雑談でもしていたようだ。 「ところでクララ」 クララが言う。 「あなた、幸久くんとは仲良くなったようじゃない」 「そんなことは……ない」 「そうかしら?あなたもう幸久くんと話す時は「まぁ」とか「あ」とか付けてないじゃない」 「それで仲いいかどうか判断すんなよ…俺はアイツと仲良くなんてない」 「あらそう。それならもうそれでいいわ。じゃあ美冶さん。あなたちょっとクララと雑談しなさい」 「え?……え!わ、私がですか?」 「そうよ」 突然の振りに美冶は慌てた。 どうやら俺と同じで人と話すのが苦手らしい。
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