第一章 コミュ障とフレ症と

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「そんな事はさておき、だ。朝飯だな。」 相変わらず減らない独り言で気持ちを切り替え台所へ向かう。まずは洗面台兼調理台の台所で顔と歯を洗う。 その後はトースターで食パンを焼き、インスタントコーヒーをつくり、角砂糖を二つ入れる。パンが焼けたらマーガリン とジャムを塗り、簡単過ぎるが俺には十分な朝食が完成した。 朝食を食べ終え、食器も洗い終わった俺は部屋着のジャージとスウェットから制服へ着替えをしている。だが、気は重くスムーズに着替えが進まない。 入学からまだ一ヶ月しか経っていないのに早くも学園生活が憂鬱だ。 俺は属に言うコミュ障で入学式の日、クラスの自己紹介の 時に頑張ってコミュ障を卒業しようとして元気よく「俺の名 前は久多良木良太です!よろしくお願いしまビュッ!!」なんて最後の一言で思いっきり舌を噛んでしまってクラス全員に 笑われてしまい、恥ずかしいなんてレベルを超越してそのまま舌を噛みきって自殺したくなるくらいの思いをした。 それからその恥ずかしさを超越した恥ずかしさのあまり、四日間もの間休憩時間は机に突っ伏した結果、ろくに話せる相 手なんて数人くらいという惨状になってしまったのである。いやこれでもまともになった方だ。中学の時の自己紹介なんかただ会釈だけして机に突っ伏し、そのまま卒業まで全く誰とも話さ…ず… 「あああああああああああ!やめよう!辛い事なんて思い出すな俺!」 黒歴史から逃れる為に学区離れて独り暮らしをしてるんじゃないか!思い出す必要なんてない! そう考えてる間に着替え終わり、ケータイで時間を確認すると、時間は七時五十七だった。 俺は鞄を肩に掛けて電気を消し、そして、今日も俺は気の進まない歩き方で学校に向かう。
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