ハジマリノトキ

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はじまりはそう、凍えるような寒い日だった。 「てかさ、葵ってうざくない?」 このクラスのリーダーとも言える絵梨の一言からだった。 葵は、私が中学からの長い付き合いをもつ、唯一の親友といえる人物だった。 絵梨の一言に、すぐさまご機嫌とりのように香織が反応する。 「だよね~自分のこと可愛いと思いすぎだって!まじきもいんですけどぉ」 わざと聞こえるようにそう言われ、私の隣にいた葵がビクッと震える。 目には、涙が今にも零れそうなくらい溜まっていた。 理由はなんとなく分かる。 絵梨のお気に入りだった本城 雄也が、葵に想いを寄せている。そのことが分かった次の日だった。
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