誰も死なせはしない

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 この屋敷の中はニンジャハウスみたいになっていてスモウレスラーが潜んでいて等といった私の予想は全て外れてしまいました。壁を叩いたら裏返る仕掛けもなく、抜け道もなく、普通のお家でした。  気になる点といえばうさぎさんが多いところでしょうか? 「患者を診て欲しい。私の方で止血はしたが、一応診てもらった方が良いと思って連れてきた」  私達がやってきた部屋には奇抜なナース服を着た女性と、制服を着た女性(うさ耳)がいました。  ……ここはもしかしてパラレルワールド的な何かなのでしょうか? 私が常識と思っていた事がそうじゃない。あやふやなで地に足が着いていない様な感じがして怖くなって来ました。  慧音さんによってそっと床に寝かされた私にかけられた布を取る奇抜なナースの人。 「……いつもすまないな」 「いいのよ、こっちも商売だから。腕を見る限り大丈夫そうよ」 「良かった。それじゃあ後は任せても?」 「大丈夫よ」 「ありがとう。ついでに薬も買っていこうと思っているんだ」  慧音さんとナースさんは、二人で話し込んでいます。私には関係ない話なのだろう、そう思って会話は聞いていません。……ただ眠いだけなんですけどね。  ……自分の身が安全だと言う事を実感した瞬間、とてつもない眠気が私を襲いました。もうこのまま寝てしまおう。瞼を閉じたところで、私の頭付近にしゃがみこんだうさ耳学生に声をかけられました。 「お布団敷きますか?」 「お願いします」  外見はともかく中身はしっかりしているみたいです。お姉さんは感激しましたよ。やっぱし人は外見で判断できませんね。  テキパキとうさ耳学生が敷いてくれたお布団に、這いずって潜り込みます。色んな意味で疲れていたので、お布団に入って直ぐ私の意識はなくなりました。
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