動きたくない

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「――最近――」 「あぁ――。――だからな」 「解決策は――」 「――人里では誰も死なせない」  私が寝始めてから、慧音さんとナースさんとうさ耳学生は部屋から出ていった。私に気を使ってのことだと思うが、それに関わらず誰かが部屋の前で喋っている。多分慧音さんとナースさんだろう。  寝始めてから断片的に会話が聞こえていたのを覚えています。  私が眼を覚ました頃には、日付が変わっていました。時間帯は夕方前ぐらいでしょうか? 倦怠感がします。それでもお腹が空きました。利き腕を支えにして立ち上がろうとしましたが、未だに腕が無くなった事実を受け止めきれていない私は、再び上半身を布団に叩きつける様な感じで倒れてしまいました。あぁ。そういえば無くなってたましたっけ。  それから起き上がる気力もなくぼーっとしていたら、うさ耳学生が部屋にやってきました。 「もうすぐ晩御飯なので呼びに来ました」 「私もいいんですか?」 「勿論」 「ありがとう、うさ耳学生さん」 「……私は鈴仙・優曇華院・イナバです」 「ありがとう鈴仙さん」 「はいはい」  なんとなく仲良くなりかけた鈴仙さんの肩を借りて、私達は食卓へ移動しました。  食卓には二人が既に座っていました。ナースさんとうさ耳(ワンピース)。……ここではうさ耳がある事が普通なのでしょうか? 私は鈴仙さんに炬燵の空いているスペースに座らせてもらいました。 「姫様は?」 「今日は鍋を食べてくるそうよ」 「またあの人のとこですか」 「いいから食べよ」  鈴仙さんがナースさんに姫様という人の行方を聞いて、食べるのが遅くなるのだろうと見越したうさ耳ワンピースが会話を打ち切りました。  晩御飯はご飯に味噌汁に焼き魚にetc……。和食ですよー。ご飯を前にしてお腹が悲鳴を上げそうでした。いただきます、各々言って晩御飯を食べ始めました。
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