現実と虚構の狭間にて

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「ここはどこだ?」 部屋着である黒のスウェットのまま少し湿った地面で目を覚ました俺は、自分が発した一言に違和感を覚えた。 その違和感に違和感を感じるという意味の分からない感覚ともに、立ち上がった。 普通なら、この異常に違和感を覚えるだろうに、 寝る前までいた、自分の部屋と、今の現状に、だ。 なのに、自分はここに居ることが当たり前と感じている。 辺りを見渡した、どうやらここは少し開けた草原のような場所だと、改めて認識した。遠くの方は霧がかってみえないが、何かがつみ重なっているのは、辛うじて見えた。 それを確認するため、その方向へ歩いていくことにした。 冷たい地面が裸足の足にここが現実だと伝えてくる、それをはっきりと踏みしめ、噛みしめながら、先へと足を進めた。
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