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「親方! 親方ーーっ!」
開けっ放しの作業場の入り口から、大声を上げて雪とともに転がり込んできたのは小姓さん。
「なんでぃ! ちったあ落ち着けよ。
この時期が目が回るくれぇ忙しいのぁ当りめえだろ!」
作業しながらの親方は、空いた方の左手で小姓さんの頭をポカリ。
カンコン カンコン
金槌を振るうリズムに狂いがないのはさすがだね。
「だって親方。緊急の依頼なんだってば」
「だぁから、全部が全部緊急なんだろが!
ったくサンタの連中、ギリギリまで動きやがらねえからよぉ」
毒づいてても、手は止まらない。
目の前、いやいや、作業場中に山と積まれたソリをどんどこ叩いてく。
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