かわいいあなたへ

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最近、学校でも、家にいても、なにかと駿さんのことを考えてしまっている。 何故だろう。 この間なんて、服を買うとき、駿さんはどんな服が好みなのかな?なんて思ってしまった。 家で料理を作った時も、駿さんに作ってあげたらおいしいって言ってくれるかなとか。 本屋さんに行ったときはこの本がおもしろい、なんていってたな、なんて。 なんなのだろうか。 「ねえねえ駿さん」 「なに?」 今日は学校帰りに駿さんを見つけたのでそのまま一緒に駿さんの家に行った。 「四六時中、ある人のことを考えている この状況ってなんなんだと思う?」 思い切って駿さん本人に聞いてみた。もちろん誰とは言わない。 「え?うーん、その人のことを怖がっているとか、気を使っているとか、もしくは・・・」 「うん」 「恋、かな」 恋。それは切なくも儚いもの・・・とかなんとか漫画で書いてあったのを読んだことがある。 切ないとか、儚いとかそんなもの私にはわからない。 だけど、恋をしたことがないわけじゃない。片想いをしたことだってある。 「恋って、さ。簡単に言うとどんなものなのかな」 ぼそりと独り言のように、駿さんに言ってみた。 「なにそれ、僕のこと意識してたりするの?」ふふっと笑った。 その笑顔と言葉にどきっとした。感付かれたのかと一瞬ひやりとした。 「そ、そんなんじゃないけどさ、ね?」 言葉が詰まってしまう。 「そう?うーんそうだなあ、この人にこんなことされたいとか、いろいろ知ってもらいたいとかもっと知りたいとか思い始めたら、それは恋だと、僕は思ってる」 すごく、微妙な回答だったけど、当てはまっている気がする。どうしよう、ここから逃げ出したい。 「そっかー・・・」 「どうしたの?今日はなんか違うね」 「え?何が?」 「女の子らしいというか・・・」 「どういう意味よ!!!」 やばい、かなりやばい 「嘘だよ、でも、やっぱりなんか違う、・・・誰かに恋したの?」 やばいやばいやばい自分でも顔が赤いのがわかる 「なんでもないよ!!!今日は帰る!!」 そういってかばんを置いたまま帰ってしまったが幸いなことに明日は、土曜日だった。
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