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俺は社長が運転する車に乗り込んだ。
[じゃぁ、先にセブンに行こうか。]
社長はセブンに向かい、車を走らせた。
車内は無言。なんか気まずい空気。
すると、社長の携帯が鳴った。
[はいは~い。]
なんだ!パンチのチビオヤジがニャンニャン声で電話に出たぞ!
[だから~今日は行けないって~。忙しいの~。お金もあんまり持ってないし~。]
どうやらキャバ嬢からの営業電話みたいだな。
[わかったよ~。また電話するね。バイバ~イ。]
俺には理解出来ないな。
お水の女にハマる気持ちが。
そんな事を考えてたら、お店に着いたみたいだ。
ランブルから車で5分もかかってないな。
[着いたよ。じゃぁ降りて待ってて。車止めてくるから。]
俺は車から降りて、目の前の建物に目をやった。
五階建の建物なんだが、外観からして酷い。
30年位経ってんじゃないか?壁のペンキが剥がれ落ちてるし。
こんなとこに客なんか来るのか?
すると社長が小走りでやって来た。
[じゃぁ行こう。ここの三階だから。]
はい。
俺は建物に、一歩足を踏み入れた時、背中に物凄い悪寒が走った。
俺は、多少霊感があって、この寒気は風邪とか寒さからくるものじゃなく、あきらかに霊的なものだった。
ヤバイ!これはキツイな…
いつもだと、嫌な空気だったり、身震いする程度で済んでるんだけど、今は違う。
だって、階段の手すりの下で、真っ黒な人の形をしたものが、四つん這いになって階段を上がってらっしゃるんだもの。
[エレベーター五階で止まってるから階段で行こうか?]
ダメです!
[なんで?]
ウンコ漏れそうで今動けません。お店着いたらトイレ貸して下さい。
[ハハハハ。大丈夫?]
大丈夫です。
俺はとっさの判断で階段から上がる事は避ける事ができた。
あれはヤバイ!
全身まる焦げなんだもん。
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