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建物から出たら、社長は車がある方向とは真逆に歩きだした。
[もう1つの店すぐそこなの。そこの地下。]
何!歩いてすぐだぞ。
俺んちから、ランブルより近い。
社長は地下へ下りて行く。
これ俺だけじゃ無いと思うけど、地下ってなんかいいよね?なんか楽しい事期待しちゃうんだ。
バンドやってた事あって、ライブハウスとかって地下が多かったからなのか、変にテンション上がるんだよね~。
でも嫌に静かだな…
まだ誰も来てないのかな?
社長が扉を開けると中から威勢のいい声で
[いらっしゃいませ!!]
[あっ!社長!おはようございます。]
そこには、金髪のお兄さんがいた。
すげー頭…何回ブリーチかけたんだろ?
[おはよう。まだお客来てないの?]
[はい。まだノーゲスです。]
説明しよう!
ノーゲスとはノーゲストの略である!
ト…なんかトが可哀想…
[ふ~ん…。ちょっと結城さん呼んで。]
おっ?なんかチビ社長の雰囲気が変わったぞ。
すると、カウンターに座ってた男性がこっちに向かってきた。
[おはようございます。]
[おはよう。結城さんさ~。昼から開けててノーゲスはマズイんじゃないの?ね~?]
[はい…。]
この結城さんって人、相当ストレス溜まってんな。
顔みたらわかる。
[ここんとこ酷すぎるよ!しっかりやれよ!]
おっ!?凄い怒ってます。
こうゆう一面も無いと社長なんて出来ないよな。
少し感心してたら、社長が俺の方見て
[明日から、うちに入る事になった宮本君だ。こっちに手伝いで来る事もあるかもしれないから、その時はよろしくお願いしますよ。]
怒りも治まらない状態での紹介。
[結城一馬です。よろしくお願いします。]
カズマ?カッケー名前!
あっ、よろしくお願いします。
[じゃぁ結城さん頑張ってよ!宮本君行こう。]
[はい!お疲れ様です!]
なんか結城さん可哀想だな…、でも管理職ってそうだよな~。結果が全てって事だ。
俺はちょっとだけ、客商売の大変な現実を見る事が出来た。
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