やっぱりオカマだった

14/19
前へ
/27ページ
次へ
建物から出たら、社長は車がある方向とは真逆に歩きだした。 [もう1つの店すぐそこなの。そこの地下。] 何!歩いてすぐだぞ。 俺んちから、ランブルより近い。 社長は地下へ下りて行く。 これ俺だけじゃ無いと思うけど、地下ってなんかいいよね?なんか楽しい事期待しちゃうんだ。 バンドやってた事あって、ライブハウスとかって地下が多かったからなのか、変にテンション上がるんだよね~。 でも嫌に静かだな… まだ誰も来てないのかな? 社長が扉を開けると中から威勢のいい声で [いらっしゃいませ!!] [あっ!社長!おはようございます。] そこには、金髪のお兄さんがいた。 すげー頭…何回ブリーチかけたんだろ? [おはよう。まだお客来てないの?] [はい。まだノーゲスです。] 説明しよう! ノーゲスとはノーゲストの略である! ト…なんかトが可哀想… [ふ~ん…。ちょっと結城さん呼んで。] おっ?なんかチビ社長の雰囲気が変わったぞ。 すると、カウンターに座ってた男性がこっちに向かってきた。 [おはようございます。] [おはよう。結城さんさ~。昼から開けててノーゲスはマズイんじゃないの?ね~?] [はい…。] この結城さんって人、相当ストレス溜まってんな。 顔みたらわかる。 [ここんとこ酷すぎるよ!しっかりやれよ!] おっ!?凄い怒ってます。 こうゆう一面も無いと社長なんて出来ないよな。 少し感心してたら、社長が俺の方見て [明日から、うちに入る事になった宮本君だ。こっちに手伝いで来る事もあるかもしれないから、その時はよろしくお願いしますよ。] 怒りも治まらない状態での紹介。 [結城一馬です。よろしくお願いします。] カズマ?カッケー名前! あっ、よろしくお願いします。 [じゃぁ結城さん頑張ってよ!宮本君行こう。] [はい!お疲れ様です!] なんか結城さん可哀想だな…、でも管理職ってそうだよな~。結果が全てって事だ。 俺はちょっとだけ、客商売の大変な現実を見る事が出来た。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加