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そんなやり取りがしばらく続いて、なんとなく社長の方を見ると、凄いイチャイチャしてる。
こりゃ、一時間では帰らないな。
そう思った俺は、社長を残して帰る事に決めた。
だって、スゲーつまんないから!
あの~社長?
[ここをね~、こう押すとね~、ピッと出るの!ない?出た事ない?]
なんか…
あの~!
[ん?どうした?]
すみません。せっかく誘って頂いたんですが、ちょっとこの後友達と会う約束してまして、この辺で抜けさせてもらってもいいですか?
[そうなの?いいよ、いいよ。無理に誘ってごめんね。じゃぁ明日からお願いしますね。]
はい。お願いします。
それじゃぁ失礼します。ご馳走さまでした。
俺は、社長に挨拶した後、キン肉マンに手を振って、テーブルを立ち、お店の外に出た。
[ありがとうございました。またお待ちしております。]
おれは軽く会釈して
もう二度と来ないよって、心で叫んだ。
家に向かうにも、ちょっと離れたとこに来ちゃったので、バスで帰ろうと思い駅まで向かった。
ネオン街を一人で歩いていると、呼び込みの人からメチクチャ声をかけられる。
何度も断り続け、ようやくネオン街を脱け出した時、なんか呼ばれた気がして振り返った。
でも、誰もそこにはいなくて、ギラギラとしたネオンが俺の目に映った。
ふと思い出された、社長の財布。社長の待遇。
俺は踵を返し、いつか俺もって思ったんだ。
いっちょ明日からやってみますか!
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