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19時半、俺はスーツに着替えて行く準備を整えていた。
ちょっと早いけど行くかな。
俺は、徒歩30歩のランブルに向かった。
店に着き、ドアを引くと開かない。
ん?まだ誰も来てないのか?
しかた無いので、下で待つ事にした。
10分たっても誰も来ない。
20分たっても誰も来ない。
おいおい!もうすぐ20時だぞ?
まさかの店休って事は無いよな?
すると、遠くからあの方がやってくるのがわかった。
吉村さんだ!!
プププ…
昨日と同じ格好です。
ひとつ違うのはバンダナの色。
凄いキャラだな?遠くから見ても浮いてるよ。
すると、吉村さんが俺に気付いたらしく、急に走りだした。
風に揺れるセミロング
油で鼻の位置まで落ちてくる色メガネ
それを押さえながら、ぜい肉を揺らしながら走る吉村さんを見て俺は
爆笑したんだ
吉村さんは俺の目の前にきて、息をきらしながら言った。
[待たせたな。]
お前はヒーローか!?
[まだ誰も来てないみたいだな]
ええ、奴等のアジトはすぐそこです
って、言いてぇ~!
でも初日だから、俺は冷静に
そうみたいです。
[ったく!]
吉村さんは、二階に上がる素振りも無く、ただ俺の横にいる。
俺は吉村を見てたら、その視線に気付いたらしく
[俺、鍵持ってないんだ。鍵持ってんの店長と、ホールスタッフやってる田中って人だけ。]
走り損じゃん!?
それから、5分位したら店長の坂田さんがやって来た。
[ごめん、ごめん。]
もう20時になってるんですけど?
店長は呑気に口笛を吹きながら階段を上がる。
鍵を開け、店の中に入り、店長がすべての電器をつけた。
[そこにタイムカードあるから押しといて。宮本君のもあるはずだから]
店長が指差す方に目をやると、たしかにタイムカードがあった。
自分の名前を見つけ、カードを入れようとした時、時間を見ると
19時55分になってた。
俺の時計は20時3分。
約、10分位のズレ
こんなのって有り?
俺は店長に、タイムカードの時間間違ってますよ?って聞いたら
[そうみたいですね~]
確信犯か!?
店長がこんな事許してんだから、この店相当だらしないぞ!
俺は初日の一歩目から呆れてしまい、やっていけるのか不安を感じてしまった。
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