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行きがかり上助けたことになった、ということがあったからとはいえ、母校の後輩というだけで親切をばら撒ける程、自分はいい人間ではない。
仕事上女と関わることは少なくない。年齢のわりに色んな種類の女を見て来た、とも思う。
が、二階堂紗希というあの少女。
紗希は秋人が関わって来たどの女とも違う。
最初に見た瞬間から、何故かそれが判っていた。
とりあえず心当たりのある動機としては、見たことのない種類の女の子だったからやたら気になった。そんなところか。
けれど特に人間に興味があるわけではない。人間観察を趣味としている物書き志望の友人とは違う。
じゃあ何だ、と考えてから秋人は馬鹿馬鹿しい、とかぶりを振った。
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