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「へっ?」
思わず変な声が口から漏れた。
「なんだ、本庄。どうかしたか?」
自分のあげた声の所為で、クラスの大半の人の視線を集めている事に気がついたあたしは、
「なんでもないです、すみません」
と担任の葉山徹に返事をして俯いた。
周りの友達の中にはクスクスと笑っている子もいる。
葉山はそうか、と言って話しを再開した。
あたしは、顔をあげて再び窓の外に視線を向ける。
声がしたのは窓の外からだった気がするが、窓の外には誰もいなかった。
先ほどと変わらず、桜がはらはらと舞っているだけである。
やはり、気のせいだったのだとあたしは一限の授業の教科書を取りにロッカーへ向かった。
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