見た目は大人、頭脳は子供

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「えっへへー。ちーなーつー」  結局……私は心が折れてヒロ兄と一緒にゲームをすることになりました。  私が承諾した瞬間、満面な笑みで抱き着いて来たけど……正直驚きません。  なんせ……日常茶飯事ですから。 「で、なんのゲームするの?」 「ドラスト5やろー! ドラスト5ー! クラスの吉田から借りたんだ!」 「……それ、1人用のRPGじゃん」  ヒロ兄が進めて来たのは国民的王道の"ドラゴンストーリー"通称ドラスト。勇者が魔王を倒す昔から人気のゲーム。  いや、確かに楽しいよ? 不朽の名作だよ? でもどうやって2人でやるの!? 「良いんだよー! 俺はちなつがやってる所を見てるのが楽しいんだから!」 「はぁ……嘘でしょ……」  っと反論しても敵う訳も無く、私は渋々国民的RPGゲームをするはめになった。  淡々と進める私。いや、確かに面白いよ? でもね…… 「ちなつのほっぺってス○イム見たいでムニムニしてるよな! 美味そうだ……噛み付いても良い?」 「ダメに決まってるでしょ。仮に実行したら半径3mは近寄らないで」 「ねぇねぇーちーなーつー? あっちに宝箱あったよ? 気になるよー?」 「帰りに寄るから良いの。体力もMPも温存したいから」  この通り、いちいち話し掛けてきてめちゃくちゃ鬱陶しいです。無視すると後からコチョコチョしてくるし、耳に吐息吹き掛けて来るし……  兄じゃなかったら絶対逃げる。てか兄でも逃げたい。 「ちーなーつー? レベルあげないとボスで苦戦するって!」 「…………そんなに言うなら自分でやりなさいよ」 「いやだ!」  先生……友達とメールの続きがしたいです。
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