見た目は大人、頭脳は子供

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 高校が始まって一週間が経過したある日。  授業が終わり、私は家に帰りリビングで携帯を弄っていた時でした。 「ちなつー! ねぇちなつーってばー! ちーなーつー!」  九官鳥の様に、私の名前を連呼する我が家の問題児1号。  三つ子の1人……ヒロ兄だ。  せっかくメールと言う高校生のバイブル的なものを楽しんでいたのに。  私は携帯を閉じてヒロ兄の事を冷ややかに睨み返した。 「……何? 聞こえてるんだけど」 「暇なら俺と一緒にゲームしよーぜ!! 1人じゃ暇なんだよー!」  ヒロ兄は携帯ゲーム機を両手で持ち画面を見ながら会話する。  我が家ではPSPの"ボンバーウーマン"や"モンスターバスター"を兄妹全員でプレイする仲だったり。  もちろん……今する気分では無い。 「……1人ですれば? 今メールしてる所なんだけど」 「そんなの後でいいじゃないかー! 俺と一緒に遊ぼうよー!」 「嫌」 「えぇ? 夕飯の買い物手伝うからー! 荷物全部運ぶしアイスもねだらないからー!」 「嫌!」 「じゃあ、ちなつの好きなイカの塩辛俺の分食べて良いからー!!」 「嫌!!」 「ちなつのゴミ捨て当番の日に俺が変わりにやるからー!!!」 「嫌!!!」 「ちーなーつー!!!!」  えぇい五月蝿い!!!!
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