34人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっへへー。ちーなーつー」
結局……私は心が折れてヒロ兄と一緒にゲームをすることになりました。
私が承諾した瞬間、満面な笑みで抱き着いて来たけど……正直驚きません。
なんせ……日常茶飯事ですから。
「で、なんのゲームするの?」
「ドラスト5やろー! ドラスト5ー! クラスの吉田から借りたんだ!」
「……それ、1人用のRPGじゃん」
ヒロ兄が進めて来たのは国民的王道の"ドラゴンストーリー"通称ドラスト。勇者が魔王を倒す昔から人気のゲーム。
いや、確かに楽しいよ? 不朽の名作だよ? でもどうやって2人でやるの!?
「良いんだよー! 俺はちなつがやってる所を見てるのが楽しいんだから!」
「はぁ……嘘でしょ……」
っと反論しても敵う訳も無く、私は渋々国民的RPGゲームをするはめになった。
淡々と進める私。いや、確かに面白いよ? でもね……
「ちなつのほっぺってス○イム見たいでムニムニしてるよな! 美味そうだ……噛み付いても良い?」
「ダメに決まってるでしょ。仮に実行したら半径3mは近寄らないで」
「ねぇねぇーちーなーつー? あっちに宝箱あったよ? 気になるよー?」
「帰りに寄るから良いの。体力もMPも温存したいから」
この通り、いちいち話し掛けてきてめちゃくちゃ鬱陶しいです。無視すると後からコチョコチョしてくるし、耳に吐息吹き掛けて来るし……
兄じゃなかったら絶対逃げる。てか兄でも逃げたい。
「ちーなーつー? レベルあげないとボスで苦戦するって!」
「…………そんなに言うなら自分でやりなさいよ」
「いやだ!」
先生……友達とメールの続きがしたいです。
最初のコメントを投稿しよう!