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俺の後ろからソフィアがそっと食堂に入ってくる。
「おやおや? キミは……」
「え……?」
ウェンディは俺の後ろに付いているソフィアを見て、目を輝かせた。ソフィアはウェンディと目が合い、驚きの声を漏らしている。
「……もしかして、ウェンディ様でしょうか?」
「うん、正解。私はウェンディ=クロフォードだよ」
「あれ? ……ということは、ここはクロフォードの領主邸?」
ソフィアはウェンディのことを知っていたようだ。
ウェンディ=クロフォードという名前と顔はエルビス国内ではとても有名で知れ渡っていることを知っていたが、まさか国外にまで顔が知られているとは思っていなかった。
「ケイくん、この可愛い子は?」
ウェンディにそう訊かれ、俺は思わずルナを見た。
サラーム公国の王城にある謁見の間で俺に服と仮面を渡してすぐに帰って行ったので、ルナがウェンディに現状を報告しているものだと思っていた。
「ボクもあまりしっかりは把握できていませんし、ケイさんが自分で説明した方がいいでしょう?」
ルナは視線だけで俺が何を言わんとしているのかを読み取ったらしく、そう言って俺に微笑んだ。
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