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「ケイくん、大丈夫?」
「要は勝てばいいんだろ? 心配するなって」
俺は心配してくれたシャロンに笑顔を向けた。
「でもSクラスって貴族や王族だから、英才教育でAクラスと同等かそれ以上の実力だよ?」
「大丈夫だ。それに相手が貴族なら潰すしかないからな」
「……どうして?」
「クロフォード家当主の教えに“傲慢な貴族は実力行使で潰せ”っていうのがあるからな」
クロフォード家当主であるウェンディは、自分が貴族でありながらも貴族を極端に嫌っている。
そのウェンディの下で生活していた俺にとって、これはやらねばならない使命でもあるだろう。
この学園に通う学費や生活費など、全ての費用を今はウェンディが支払ってくれている。
「噂通り、クロフォードって不思議な貴族なんだね」
「他の貴族と比べると一風変わっていることは確かだな。長期休暇の際に、クロフォード領に来てみろよ。たぶん色々と納得できる」
そんな会話を笑顔でしていたが、切の良い所でガイアに止められた。
「ケイ、早く行って決闘を終わらせようぜ。俺はケイなら勝つって信じてるぜ」
「そうだな。早く行って終わらせるか」
俺はニヤリと笑うと、決闘の舞台である第二闘技場へと向かった。
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